RNDLab. INSIGHT

2025.10.29

アイビューティー市場について

アイビューティー市場とは?

アイビューティー市場とは、目元の見た目・機能・衛生を整えるための製品・サービスの集合市場です。消費者向けのメイク製品から、サロンでの施術、プロ用商材、周辺機器や教育までを含みます。ここ数年で市場拡大しており、コロナ禍以降にも更に成長しています。

日本国内のアイビューティーサロン市場は2年連続2桁台成長

アイビューティーサロン市場は近年拡大傾向が続いています。

例えば、ホットペッパービューティーアカデミーが発表した「美容センサス2024 年上期<アイビューティーサロン編>」によると、アイビューティーサロンの市場規模は、推計 約1,179億円(前年比+28.9%) に到達しました。
参考 : ホットペッパー ビューティー+2リクルート+2

さらに、2025 年上期では 約1,384億円(前年比+17.4%) と、
2年連続で2桁台成長を記録しています。
参考 : プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1|PR TIMES+1

2025年のネイルの市場規模が1455億円ですので、ほぼ同じくらいの規模に成長してきています。
まつげパーマやエクステ、アイブロウなど、サロン施術からホームケア製品まで広がっており、目元のデザインは「特別なこと」から「日常のメンテナンス」へと変化しました。

美容室のまつげメニューや、化粧品業界の見えない市場

ただし、この市場規模の数字の裏にはまだ見えていない部分があります。

多くの統計はアイビューティー専門サロンを母集団としていますが、実際には美容室の中でまつげパーマやアイメニューを導入しているケースも増えており、その売上は、美容室市場の方に吸収され、アイビューティーサロン市場としては計上されていないのではないかと思われます。
ざっくりと、美容室全体の10〜20%が導入していると仮定しそれを含めるなら、日本のアイビューティーサロン市場は1,500億円は超えると言えるでしょう。

また、目元まわりの化粧品市場(アイメイク・まつげケア含む)は、化粧品全体市場3.2兆円規模に対して少なくとも10%と見積もっても、BtoC向けホームケア製品だけでも3000億円以上が動いている事になります。

それに加えて、サロン向けまつげ/目元施術および専用材料のBtoB市場が、既存統計に含まれず見えない市場として追加的に存在すると考えられ、統計上のデータはありませんが、市場規模から考えると、その規模は国内で数百億以上になる可能性があります。

その他教育や付随するビジネスもあると思いますが、サロン市場1,500億、ホームケア市場3,000億、業務用市場300億と考えると、アイビューティー市場全体としては国内では、5,000億円以上の市場だと考えられます。(この数値はかなりざっくりと計算していますので、あくまでも推論ですが。)

グローバル市場でのアイビューティー市場規模

グローバル市場のアイビューティー関連の市場規模については、定義が広く、国によっても公式なデータも公表されておらず、おおよそ正確な統計は無料のデータでは見つかりませんでした。

その中で、地域別に見るとアジア太平洋が最も存在感が大きいという記事を見つけました。

Fortune Business Insightsの推計では、つけまつげ(まつげエクステ)市場における2024年のアジア太平洋のグローバルシェアは40.86%で首位。CAGR(年平均成長率)が8%前後とのレポートも。この数値はつけまつげ(まつげエクステ)限定の製品市場の構成比であり、施術サービスは含まれていない点に留意が必要ですが、基本的には成長路線にある事は把握できました。
参考 : FORTUNE BUSINESS INSIGHTS : False Eyelashes Market Size, Share & Industry Analysis

統計とは、すべてを正確に示すものではなく、サンプルの偏りや推計の幅やノイズがあることは当然で、むしろ誤差を含んだまま見るものだと思います。その意味で、数字は「完璧な答え」ではなく、一定の方向性や輪郭をつかめれば十分ではないでしょうか。

まとめ

・国内アイビューティーサロン市場は拡大傾向
・国内アイビューティー市場(ホームケア、BtoB等)も付随して拡大か。
・グローバル市場も併せて拡大傾向、アジア太平洋のシェアが大きい。


RNDでは、今後も新たなデータや推論などを考察してご紹介していこうと思います。

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最終更新日:[2025-10-28]